当院では歯根破折歯・破折歯の治療に対応しています

スポーツや事故などによって歯が折れたり割れたりする以外に「歯根破折」が増加傾向にあります。歯根破折は特に神経を取った歯(失活歯)に多く発生し、中でも金属の土台(メタルコア)をしているケースで多い傾向があります。通常、特に歯根破折を起こした歯は抜歯ですが、当院では、この歯根破折歯の接着修復治療に対応しており、患者様からの評判の良い治療でもあります。

歯根破折を起こした歯の治療方法

歯根破折を起こした歯の「破折歯背接着治療(破折歯接着修復治療)」には、「口腔内接着法」と「口腔外接着法(意図的再植)」の2種類の方法があります。

A.口腔内接着法(非抜歯で行います)

小さなひび割れでも、放置していると大きなひび割れと進み、最後は完全に破折してしまうことにもなりかねません。初期のひび割れでは、口腔内接着法で治療が可能です。スーパーボンドを流し込んで、ファイバーポストを立てて修復します。 マイクロスコープによる精密治療となります。


B.口腔外接着法(意図的再植=一度抜歯して治療後に再植します)

口腔外接着法は、一度抜歯して、感染部分を除去し、割れた部分をスーパーボンドで接着してから、元の場所に戻します。同時にファイバーポストを立てて支台築造も行います。口腔外接着法もマイクロスコープによる精密治療となります。

口腔外接着法の流れ

①検査で破折を発見
歯根破折は通常抜歯ですが、当院では「破折歯接着治療」を行っています。
②一度抜歯する
口腔外接着法では、破折歯を一度抜歯して口腔外で感染部分の除去などの処置をします。
③接着治療を行う
感染部分の除去したら、スーバーボンドを使用し、接着治療を行います。
④再植する
また元の場所に歯を戻します(再植)。歯根膜が残っていることがポイントとなります。

破折歯接着治療の症例

非抜歯で行う口腔内接着法の症例

主に、破折による歯根の分割が無い場合に適応されます。歯牙の喪失のリスクが少ないですが、口腔内で処置を行うため破折部の接着操作が困難である場合があります。

口腔内接着法 症例①

50代男性。右上第一小臼歯に破切を認める。破切した部位に接着材を流し込み治療を行った。

口腔内接着法 症例②

この症例では、特に痛みは無く、おおきな炎症は認めませんが、矢印で示した部位に破折線が認められます。他院では抜歯してインプラントを勧められましたが、保存を希望され来院されました。炎症症状が小さい事や、破折した歯牙が分離していないため、口腔内接着法による治療を行いました。

矢印の部位に破折線が認められる。
X線写真。判別しづらいが、破折線を認める。また根尖病巣も認められる。

口腔内接着法 症例③

口腔内写真。破折部と歯根周囲の炎症が消退していることを確認する。
スーパーボンドにて接着。ファイバーポストを用いて、土台を作製した。
被せ物を装着。経過は良好。

一度抜歯して口腔外接着による再植法

破折により歯根が二つに分割されている場合が主な適応。一度破折した歯牙を抜歯して口腔外で接着操作を行い、修復した歯牙を再び抜いた部位に戻します。(再植)完全に分断されていても処置が可能であり、適切な接着操作が行えますが、再植した歯牙が正着しない可能性があります。(その場合は抜歯となってしまいます。)

口腔外接着再植法 症例①

歯根破折を起こした歯。垂直に根尖部まで亀裂が入っている。
40代男性。右上第一小臼歯の違和感で来院。
該当歯を抜歯後、内部を清掃・消毒を行う。スーパーボンドにて接着を行う。

口腔外接着再植法 症例②

こちらは、左上第一小臼歯が齲蝕と咬合圧による歯根破折で被せ物が取れてしまった症例です。破折後、やや時間が経過していまい、歯根が完全に分離しているため、一度抜歯をして、修復し再植を行うこととしました。

口腔内写真。歯根が完全に分断してしまっている。
X線画像より、大きな齲蝕と斜めに破折が認められる。
口の外で精密に修復を行うため、抜歯を行った。

口腔外接着再植法 症例③

抜歯した歯牙の齲蝕部位を除去し、スーパーボンドにて接着し、歯周組織再生材料(エムドゲイン)と一緒に元の位置に再植を行いました。

齲蝕を取り除き、接着のための表面処理を行う。
スーパーボンドにて接着。歯根に歯根膜の残存を認める。
ナイロン糸とレジンにて固定。

口腔外接着再植法 症例④

再植した歯牙が安定した後、支台を調整し咬み合わせを考慮した被せ物を作製致します。今回は患者さんと相談し、できるだけ周りの歯を触らずに被せ物を作製しました。

約2か月後、仮歯を装着・調整しながら経過観察を行う。
再植した歯牙が十分に骨と正着している。吸収も認めない。
全体的な咬み合わせを鑑みて、上部の被せ物を作製した。