歯冠修復物(被せ物・クラウン)について

根管治療後の予後を修復治療の質が左右する

破折歯接着治療では、根管治療・再根管治療が伴います。根管治療を行うことになった場合、その後に行う修復治療の質も、治療後の予後(よご=今後の病状についての医学的な見通し)を左右します。

Temple大学での研究結果

1995年、Temple大学でRayとTropeによる疫学研究が行われた結果、根管治療の質と修復治療の質、その後の根尖病変の有無(根管治治療が成功したかどうかを判断)を比較したところ、根管治療の質だけでなく、根管治療後の修復治療の質がその後の予後を大きく左右していたことがわかりました。

根管治療後の修復治療の質と予後の関係性

根管治療の結果
修復治療の結果
治療後の根尖病巣無し
Good
Good
91.4%
Poor
Good
67.6%
Good
Poor
44.1%
Poor
Poor
18.1%

※1995年「RayとTropeによるTemple大学で行った疫学研究

「質の高い根管治療を」行い、根管治療の後に「質の高い修復治療」を行うことで、歯冠側からの細菌侵入を抑え、感染再発を防げるという事がわかったのです。

歯冠修復物の種類

これらは自由診療の修復物です。

オールセラミッククラウン

色調が最も天然歯に近く、生体親和性や適合性に優れ、アレルギーの心配がありません。汚れが付かないので変色しにくいですが、まれに破折することがあります。

ジルコニアクラウン

生体親和性に優れ、金属アレルギーの心配がありません。軽く、強度・耐久性共にとても優れており、変色しませんが、オールセラミックに比べると透明性や色の再現性が落ちます。